Rの考察

1/1の大きさでRの大きさについて考察しています。

設計において、感覚的に何かを作るということはあまりなくて、今までの経験や時に立ち止まって考えるという作業をとても大切にしています。

なんとなく進めたものよりも、取捨選択して進めた物の方が説得力があると感じるからです。

ミッドセンチュリーと呼ばれる、1950年から1960年くらいに名作が多い(日本人だと柳宗理さんや剣持勇さんなど)のはデザイナー自身の手で紙や発泡スチロールを削ってモックアップを作り、時には極限まで削ぎ落としたデザインであったからだと思います。

それらの作品には手の痕跡が残り、作品の魅力になるのではないでしょうか。

羅久井さんのアトリエ

版画とハンコの作家である羅久井ハナさんのアトリエに行ってきました。

ご相談をいただいていた、簡単な照明工事をさせていただき、久しぶりに以前製作させていただいたデスクと作業台と再会しました。

とても綺麗に使用していただいていて、チェリーの濃くなった色が経年の変化を感じさせます。

羅久井さんの何が凄いかというと、デザインから始まり版画やハンコを全て自分の手で彫っているということ。

ウィットに富んだデザインは、僕は星新一や吉田篤弘さんの本にも繋がる感じがしていますし

カスタマイズハンコも一点ものの版画もご自身で一点一点彫っていらっしゃいます。

以前、展示会でオーダーしたハンコ。

プロダクトとしてもかっこいいし、製作させていただいた作業台で作られているというのもウォルデンとしては、とても熱いです。

永井さんのアトリエ

金工の永井さんのアトリエ。

こんなに素敵なアトリエは他には無いですね。

仕事のしやすさ、かっこよさ。

早速、細かいビスの収納方法を真似しました。

サイドボード 世田谷区I邸

先日のデイベットと一緒に世田谷区I邸には寝室にサイドボードを納品させていただきました。

幅3600ミリのサイドボード。チェリー材で製作しています。

チェリー材は経年変化が早く(すぐに色が濃くなります)ウォルデンでは完成後、1週間から2週間くらいショールームで色を落ち着かせてから納品しています。

ちなみにブラックチェリーと言われている材も弊社で使用しているチェリーも同じ材です。

ブラックチェリーと言った方がなんとなくカッコいいような気もします。

引き出しは衣類収納。扉部分はレコード収納となっています。

窓の下に納まったことで、スッキリとした印象になったと思います。

デイベッド 世田谷区I邸

I邸のリビングにウォールナットで製作したデイベッドを納品しました。

ダイニングでもテレビを見るときにも使用したい。圧迫感の無いデザイン。

肘掛けが合ってリラックスしたいとのご要望を受け、一からデザインしました。

1/10の模型を作り、I様にも確認をしていただき製作を進めました。

こちらの提案の段階で、背をボルスター型(円筒)と蒲鉾のような形の2種類を用意したところ、I様はボルスター型が気に入ったようでした。

クッション部分はいつもお願いしているあきる野のフジタケワークスさん。

肘置きのボルスター部分は構造が複雑で、藤武さんと相談をしてすぐに製作に取り掛かりました。

背もたれとしても、肘掛けとしてもリラックスできる形になったと思います。

I様にもとても喜んでいただきました。

tracing the roots

代官山ヒルサイドテラスで行われているwonder full life主催のtracing the rootsに行ってきました。

wonder full lifeの大脇さんは以前から憧れの人のひとり。

僕が愛用しているwonder full lifeのサンダル。

甲の部分にクバ族の織物が使用されています。

生地の入手と作り手の交代で今後生産は難しいとのことでした。

こんなにカッコいいサンダルは他にはないと思います。

大脇さんの履いていた同じモデルは、味が出て雰囲気が抜群でした。

くるみ

田園調布、I邸の建具。

オークのラタン扉だけでなく、くるみ材でも製作しています。

くるみという木材。広葉樹の中では比較的に柔らかく加工はしやすいです。

個人的なイメージは、牧歌的で派手さや主張がなく、決して印象の強い木ではないということです。

寝室クローゼットの扉に使用するのですが、I様がこの木と一緒に歳をとっていくのは良いかもとおっしゃっていたのが印象でした。

そういう意味ではぴったりな木だと思います。

軽井沢

先週に続き、今週も軽井沢に行ってました。

建具や扉の調整に。

宿泊させていただいたお礼にと言いつつ、名建築に触れてみたかった事も個人的な理由です。

触れてみて感じたことは、修理ができるように隅々まで考えられて作られた建築なのだと思いました。

40年前にもサッシや便利な金物も多かったはずですが、金物はシンプルで壊れにくい物が多く、その他は人の手で作られた物が多かったです。

家具作りに近い感覚を当時の設計の中で読み解くことができました。

本棚 葉山町A邸

葉山町A邸に本棚を納品しました。

3階の廊下に設置させていただいた本棚。シナ合板の積層が見えるデザインです。

A様には、以前にもギャラリーの内装の家具や洗面の吊り戸棚など、何度もリピートでご注文をいただきました。

僕も好きなアーティストの展示の時は、作品を購入させていただいたりしていて葉山が身近な街になってきました。

吉村順三の軽井沢の別荘

縁があって、軽井沢の吉村順三建築の別荘に宿泊させていただきました。

40年近く前に建てられた建築で決して中は広くないのですが、その中の豊かさに心打たれました。

家具や食器、カーテンまで竣工の時に用意されていたそうです。

照明の灯り、外から見える緑。

居心地の良さと豊かさは繋がる部分があると思います。

家の中に入った時に感じた心地よさは、強さではなく人を中心に考えぬかれた建築ならではないかと思いました。

建築って面白い。