木目を読む

ウォルデンで特にこだわっているところは材料の選定です。

例えば4m近く幅のあるテレビボードの扉も木目が繋がるように長い材から使用しています。

特に3メートルを超える良材は希少で常に材木屋さんとコンタクトをとって一山という単位で木材を購入しています。

ウォールナットは海外挽きで流通している中で一番良いグレードの良いものを。

その中でもウォルデンで長いまま丸々使用できる材料は購入した中でも半分くらいです。それだけ拘って選定をしています。

木材選びは無垢材に限らず突板にも同じことが言えます。

突板は一般的に良い無垢材をスライスして合板に貼っていると言われますが、その中でも扉に使える突板。天板に使える突板など材料を選別しています。

扉に使える突板も扉に見合わなければ、扉の裏に使用するなどして新しい材を購入しています。

大事なところの木材選びは、必ずスタッフと一緒に僕も材料を選定しています。

この木材選びを無くしてしまったらウォルデンの良さは無くなってしまうし、それがこだわりのあるお客様にウォルデンを選んで頂いていきっかけになっていると思います。

木目も家具のデザインの一部。自然が相手なのでなかなか手強いです。

最近読んだ本に、僕の設計、製作のこだわりにぴったりと当てはまる文章がありました。

”数値化できない事の良し悪しを判断して最適化する”

という一文。

木材選びもまさにこの事だと思います。

ショールーム

納品前の家具がショールームに溢れてきました。

いずれはチームでやっていきたいと思っているのですが、今のところ家具の設計は僕が担当をしています。

設計の上で大切にしていることは、一過性のデザインにならないこと。長く使える家具であるのはもちろん、素材を活かした普遍的な形のものを作りたいと思っています。

昔はデザインに固執していた時もありましたが、そんなことよりも、そこに人が暮らすことによって、どんな豊さ、おおらかさが生まれるかに興味があります。

今は難しいのですが、新しいものはなるべく自分の目で見るようにしています。

建築とかアパレルショップの内装とか、新しい発見も多く

もともとそう言うものが大好きなので。

好奇心の心のゆとりを大切にしたいです。

工房のご紹介

ショールームにお越しいただいた方ならご存知かと思いますが

ウォルデンは、ショールームに併設した工房があります。

築70年近くの古いのこぎり屋根のの工場を改装した工房。

ウォルデンの家具は全てここの工房で僕と二人のスタッフで製作をしていています。

大きい家具も多いので、ストレス無く家具作りに集中できるように、ひとりひとりのスペースを広くとっています。大型のエアコンを設置しており冬場も夏場も比較的過ごしやすいです。

基本的には一人のスタッフが一台の家具を最初から最後まで作ります。

ひとりひとりがプロフェッショナルであって欲しいのとやっぱり一から完成させる達成感は家具作りの醍醐味でもあります。

ここ数年は夜遅くまで製作をすることも無く、無理無く製作に集中ができています。

初めからそうだったのでは無く、僕も会社も未熟で、夜に製作をしないことを決めてからは理想に近い形で続けられてきました。

もちろん、製作してくれているスタッフのおかげです。

打ち合わせから設計、製作、納品まで全て一貫して行っているのがウォルデンの強みで、タイミングが合えば納品も製作したスタッフが行います。

より純粋に物づくりに取りかかれる環境を作りたいです。

ウレタン塗装

H邸の壁面収納の塗装が完了。
ウレタン塗装です。
家具の塗装には、素材にあった塗装が必要で
突板の家具には、基本的にウレタン塗装を施します。
突板は、表面の無垢部分が薄いため
素材を保護する必要があるからです。
(水や汚れにも強いです)
無垢の家具でしたら、オイルの選択もあります。
塗装もいろいろで、オイル仕上げのような、ウレタン塗装だったり
ウレタン仕上げのような、オイル塗装だったり。
日々、勉強です。
それにしても、塗装した素材は
みずみずしく、いきいきと見えます。
人と同じかもしれません。
のどが渇いたときに飲む水(ビールでもいいけど)みたいに
”生き返った〜”って感覚に近いかも。
とにかく、無垢や突き板の家具を作る上で
塗装を重要な作業のひとつなのです。

オーダー家具の素材について。ポリエステル化粧合板

無垢材や突き板などの素材以外で
根強く人気があるのは、ホワイトの家具です。
ホワイトの家具の場合は、プリント処理された既製品の
ポリエステル化粧合板を使用します。
waldenでも多く、ホワイトの
ポリエステル化粧合板を使った家具を製作しています。
通常のポリエステル化粧合板は、独特の臭いがするのですが
waldenでは、臭いの原因となるエチレンを含まない
ノンエチレンポリを使用しています。
こちらを使用しているのも
以前、お客様から家具の臭いについてご指摘を受けたからです。
それ以降、既に1年以上前から、ホワイトのポリエステル化粧合板は
全てノンエチレンポリに切り替えました。
お客様には、特に説明していないときもありますが
すべてこちらを使用しています。
それ以前もポリエステル化粧合板を含め
全ての製品は、フォースターと言う環境基準をクリア
した製品を使用していました。
ただ、それだけでは、足りないと思い
現在では、独自の基準を設け、ノンエチレンポリを使用しています。
こちらの素材ですが、材料屋さんに聞いた所
一部の家具屋さんを除いて、ほとんどの家具屋さんは、使用していません。
理由は、知名度が低いこと
また通常のポリエステル化粧合板に比べ、材料が割高なことにあります。
予算の少ないお客様には、通常のポリエステル化粧合板
を勧めようかとも考えましたが、
見た目が全く同じなので
(いちいち臭いを嗅いで作業する訳にもいかず)
全てをこちらに切り替えました。
より多くの家具屋さんに、こちらの素材を知ってもらい
使用して頂きたいと思っています。
ただ、木目プリントのポリエステル化粧合板は、
ご家庭用には、あまりお勧めしていません。
(水場は別です)
お客様の中には、別の所で、木目プリント化粧板の家具を
作ってもらったものの、愛着がわかなかった。というお話も聞きます。
家で使う家具の場合は、突板や無垢材がお勧めです。
真っ白い家具については、代替品がないので
ポリエステル化粧合板やメラミン化粧板での製作が良いと思います。
突板についてはコチラ

オーダー家具の素材について。無垢、突き板

家具と言っても、それに使われる素材は様々です。
waldenでは、独自の環境基準を設け
素材にもこだわって家具を製作しています。
今回は、その素材について少し説明させて頂きたいと思います。
walden では、無垢材や突き板を使用した家具を得意としています。
無垢材とは、木そのものを、割ったり切ったりして加工した材のことを言います。
左からナラ、ウォールナット、チェリー
見た目の雰囲気は抜群です。
反りや材の伸縮などを考慮して加工する必要があります。
次に突き板ですが、突き板とは無垢材を薄くスライスし
合板に貼り合わせたものです。
無垢材特有の反りや伸縮を抑えることが出来ます。
雰囲気は無垢材に比べ平面的な印象です。
突き板の中でも、スライスの厚み分を増やした
厚突きという、より無垢材に雰囲気が近い
突き板を使用することもあります。
突き板以外の合板でよく使用するのがポリエステル化粧合板です。
ホワイトの家具などには、主にポリエステル化粧合板を使用します。
いわゆる木目プリントなどの合板も、ポリエステル化粧合板が多いです。
(ポリエステル化粧合板については、また次回)
左上から右に、チェリー突き板、ウォールナット突き板、ナラ突き板
左下から右に、ポリエステル化粧合板、塗装済みシナ突き板
walden では、外観にナラやチェリーなどの突き板を使用し
内部に塗装済みのシナの突き板を使用するパターンが多いです。
内部まで、同じ突き板を使用したい所ですが、素材の価格が高価なため
扉などで隠れてしまう部分には、シナという比較的安価な素材を使用します。
ポイントは、塗装済みのシナを使用するということです。
普通のシナは、素材の毛羽立ちが強いため
大げさな言い方をすると、触っただけで汚れが付いてしまいます。
waldenでは、汚れの付きにくい、塗装済みのシナを
本体内部や引き出し内部に使用させて頂いています。
写真のナラやチェリーなどの突き板のサンプルは
たくさん用意があります。
オーダー家具をご検討の方は
無料で差し上げますので、お気軽にご連絡ください。

塗装の適材適所

最近は、天気がよいので塗装がすぐに乾きます。

ウレタン塗装の下塗りが完了。
これから研磨をして平面出し(これがなかなか大変)
その後仕上げの塗装をします。
waldenの家具は、主にウレタンクリア塗装で仕上げます。
家具において塗装は、とても重要な役割を果たします。
無垢の家具の場合は、オイルフィニッシュで仕上げる場合もありますが
突き板の家具の場合は、しみ込んだ汚れの修理が難しいため
塗膜を形成するウレタン塗装、もしくは、ラッカー塗装の方が
適していると思います。
特に水場となるキッチン周りや洗面所などになると、なおさらです。
無垢材はともかく、なんでもかんでもオイル仕上げにして
良いと言う訳ではありません。
家具を長く使って頂く為にも
その素材や場所に適した塗装が必要なのです。